リベラルアーツカフェ121
スマートシティと社会実装
~テクノロジー×まちづくり~
スマートシティと社会実装
~テクノロジー×まちづくり~
今回のカフェは、情報通信月間参加行事として開催しており、情報通信やICTなどに関わるゲスト・テーマでお送りしております。ゲストは宇都宮市出身で前・つくば市副市長だった毛塚幹人さん。毛塚さんには1年前に前身のサイエンスらいおんカフェにもゲストにお越しいただいています。前回は「自治体DX」についてのテーマでしたが、今回はその続編的な内容でもある「スマートシティ」がテーマとなりました。
今回も参加者は全国からお集まりいただきました。参加者の自己紹介・聞いてみたいことなどをお聞きした上で、毛塚さんから自己紹介・話題提供をいただきます。話題提供は、「スマートシティとデータ活用」「スマートシティと実証実験」「スマートシティと実施体制」の三つの柱でお話しいただきました。
「スマートシティとデータ活用」
まずはスマートシティって何?という所から。内閣府の定義をお話しいただき、マネジメントの高度化とは?という観点から「データ連携基盤」について説明、また国内外での事例などもご紹介いただきました。毛塚さんの前職・つくば市でももちろん導入されており、導入に際しての課題やエピソード、実施に際しての庁内体制の整備や外部連携についてなども知ることが出来ました。
「スマートシティと実証実験」
スマートシティの推進には欠かせない実証実験ですが、つくば市では以前から「つくばチャレンジ」「セグウェイ」などの取り組みが特区制度などを活用して行われておりました。毛塚さんが副市長在任中には、特区制度を使わずにコンパクトにできる事業として「社会実装トライアル支援事業」を開始しています。つくば市を実証実験フィールドとする社会課題解決案を全国から募集し、医療相談アプリ・ドローン配送など年間数件ずつ採択、実証実験を通して社会実装への糸口を付けられているそうです。このような実証実験を全国から公募する事例は増えてきており、その背景としては、自治体のフットワークを軽くしたり、あるいは、他の自治体との差別化を図ることによって独自性を確保しつつ、財政負担を軽減したり、といったことなどが挙げられるそうです。
栃木県内では、さくら市でつくば市同様の実証実験事業が公募されていたり、小山市ではまちづくりの共創活動に市民が24時間いつでも参加できるプラットフォームを整備したりしている事例などをご紹介いただきました。
「スマートシティと実施体制」
つくば市ではこれらの実証実験を推進するために「つくばスマートシティ協議会」を官民協働で設置しています。大手企業だけでなく、フィールドとして関わってもらえる地元企業やスタートアップ企業、また、実際の運用面でのリスクヘッジのための保険会社なども参画、分野ごとの分科会もリーダー企業や機関が中心となって進めているとのことです。また、国土交通省スマートシティモデル事業の活用による各種モビリティ実験や、内閣府スーパーシティ特区指定を受けたインターネット投票実験の事例もご紹介いただきました。
最後に、毛塚さんがスマートシティについてインタビュー受けた記事が公開されているので、ご紹介いただいて話題提供を終了しました。
後半は参加者とのフリーディスカッションということになりますが、今回は主に毛塚さんに聞いてみたいことなどが中心となりました。主な質問・意見などを挙げておきます。
収益化について。企業はどのような興味があり、行政はどこまで応えられるのか? また、ありきたりの提案や営業的な提案も増えていくと予想されるが、どう考えるか?
課題の抽出や選択において、どのような点に注意・着目するべきか?
大きな街でのスマートシティ化が目立っているような気がするが、小規模な街での事例や成功例などはあるのか?
国でやるべきだと思う。地域によって違いがあると、広がりが遅くなると思う。
スマートシティの推進には、データの標準化が必要だと思う。
都市経営プロフェッショナルの人材育成についてはどのような状況なのか?
クライシス(震災やコロナなど)がテクノロジーの社会実装に期せずして寄与する場面があるが、このような観点から思うようなところは何かあるか?
・・・などの疑問や感想に、毛塚さんは一つ一つ丁寧に、時には付帯する情報なども添えながら、回答いただきました。
毛塚さんは現在、栃木県内はもとより、全国各地の自治体などの要望に応じてアドバイザーなどの活動を行っております。今後の活躍も祈念しつつ、またの機会にお話を伺う機会を設けられればと思います。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
[文責:藤平 昌寿(リベラルアーツとちぎ 代表)]
5月の話題提供者:毛塚 幹人(けづか みきと)さん
(前・つくば市副市長、宇都宮市出身)
テーマ:スマートシティと社会実装 ~テクノロジー×まちづくり~
日時:2023年5月27日(土) 10:00-11:30
開催場所:オンライン開催(zoom利用)
参加費:無料
※今回から任意でカンパチケットの購入も可能となりました。
いただいたカンパはリベラルアーツとちぎの運営など使用されます。
定員:15名
お申込み:https://la-cafe121.peatix.com または表示のフォームから
※お申し込み方法も変わりました。
ご質問等は info@la-tochigi.net でも受け付けます。
5月・6月は総務省の情報通信月間参加行事として開催いたします。昨年、前身のサイエンスらいおんカフェ110にご登場いただきました毛塚幹人さんに再び登場いただきます。
毛塚さんは宇都宮市のご出身で、私の高校の後輩にもあたります。財務省からつくば市副市長(全国最年少副市長)を経て、現在は栃木県に戻り、自治体アドバイザーなど、多彩に活躍されております。
昨年は「自治体DX」についてお話いただきましたが、今回は「スマートシティ」がテーマ。スマートシティに取り組む中で直面する制度や住民意識などの課題にどう向き合っていくか、つくば市のスマートシティ事業や栃木県内の自治体の事例をご紹介いただき、参加者との質問や対話なども予定しております。
栃木県内の皆さまはもちろん、全国からオンラインで参加可能です。どうぞお気軽にご参加ください。
from: 藤平 昌寿(リベラルアーツとちぎ代表)